(社)日本奇術協会主催定例公演
「Magic of MAGIC」第21回公演レポート
日時  2007年8月6日「月」
場所  目白  シアター風姿花伝
チケット 前売り 2700円  当日 3000円
開場 18:30  終演 20:50


出演(敬称略)
松旭斎八重子プラスワン/ダーク広春/しんざきまなぶ/江澤ゆう子/正木亮

第21回は松旭斎八重子プロディースとして、久しぶりにアマチュアを交えての賑やかな舞台作り、加えて司会のナナオさんまでも巻き込んで 1時間50分であった。

八重子プラスワンさんはステージ一杯にハワイアンムード、八重子師 ちょっとみ歌手の天童よしみさんに似ている。
お話が面白い涼しげな夏衣装で元気一杯。
二本のロープ、ぼんぼん、セイロなど相変わらずのテンポの速い歯切れによい演技である。
一回目は軽く流した感じ、当夜は3回の出演でお得意のハワイアンの曲にのせて、ビール瓶のプロダクション、ロープ切、果ては大きな花の取り出し、古典マジックから新しいマジックの取り入れの調和が見事でした。

ダーク広春さん
今は亡き、ダーク大和師一門、プロになって長いと思う。
いぶし銀のようなかたで、楽屋でも非常におとなしく、語り口も穏やかな感じ、独特の雰囲気を感じさせる。
5枚のかみそり呑みを行なうかと思うと、支那セイロ、トークでの腕ギロチンなどは流石に客扱いが上手かった。

しんざまなぶさん
普段は都内でクロースアップマジシャンとのことで初めてステージを拝見した。
広春さんと同じで物静な感じお二人が静かなので、ステージが暗く「失礼」なるかと持ったが、以外 舞台に立つと、紙幣のプロダクションやリング、ちょっと変わったパスパスボトルの手順、変わったシルクの取り出しなど、若手注目株と云われているだけあって充分うなずける若々しさを感じました。

正木亮さん
都内で特異な例会を開いているプリンあらモードの会員さん。
色々なイベントに積極的に現れるので、プロ、アマに幅広い人脈の持ち主、私も存じ上げていた方であったが、マジックは始めて拝見した。
お自分でストーリーを作り、それに合わせた、銀河鉄道の曲に合わせてのマジックで、フォトフレームに破いたカードが現れたりちょっとした割り箸のマジック、ミルクジョッキを使った白いバネ花の変化など、ステージ、クロースアップと大活躍で、工夫した演技を見せていた。

江澤ゆう子さん
風姿花伝の舞台は横のスペースが無いので窮屈そうな演技であったが、手馴れた「江戸の華」でした。
最初の頃から見ると 今の演技は違う作品のように見える。
1998年日本海マジックで グランプリを獲得して注目を集めて以来、海外でも演じてきただけに安心して見ていられる。
普段練習をしながら、基本的なものは変えていないが、随所にアイディアを盛り込んでいる。
最初のテープと見比べてみると、その違いがわかる。

今回、八重子師の計らいで企画段階から、協会で二度ほど打ち合わせに参加させて頂いた。
アマチュアの二人のためにプロのお三方が気持ち良く、出し物のすり合わせにご協力を頂いた。
特に八重子師がアットホームな舞台にしたいとのことで、全員でハワイアンを 踊ることになり、歌詞や初歩の踊りかたまで教えていただき、その上出演者全員のアロハやムームーまで揃えてくれた。
流石にプロ。
自分も観客も一体になって楽しめる大事な下準備の貴重なことを経験させていただいた。
協会が行なっている人材育成の趣旨を身をもって勉強させていただいた感がある。

風姿花伝の舞台作りに日頃スターの座にいて、脚光を浴びている協会の方々がそれこそ、舞台に這いつくばって演者が躓いたらいけないと何回もシートを張り直したり、テープを張ったり重い暗天幕を三脚に脚をぶつけながら吊ったり「意外と重いし時間が掛かります」ゴミを 片付けたり、隅々まで気を使い良い舞台を作る作業を拝見した。
毎月ご苦労なさっているステージハンズの皆さんの姿を垣間見て、改めてマジックファンとして感激しました。

浅井精治