(社)日本奇術協会主催 定例公演
「Magic of MAGIC」第23回公演レポート
日時  2007年10月1日「月」
場所  労音大久保会館(R’s Art Court)アールズアートコート 新宿区大久保1−9−10
チケット 前売り 2700円  当日 3000円     開場 18:30  終演 20:50 出演(敬称略)
マイク太田・マギー隆司・ミステラ・Magician KAZ ・HIKARI ・KAKELU
司会 長谷和幸

 今回から、従来の目白「風姿花伝」から、新大久保のアールズアートコートに場所を移しても公演になった。
JR、新大久保駅下車、大久保通りを右に進めば直ぐわかる

私は今迄、新大久保なる土地に縁が無かったので知らなかったが
まー、韓国料理店の多いことには驚いた。

噂では聞いていたが、これほど多いとは思わなかった。
目白に二年間通うと馴染みのお店も出来て、そこで食事をするのも楽しかったが、これからは新しい店を探さなければと、そんなことを思いながら周囲を見渡してしまった。
何時になったら見つかるかな?

会場のアールズアートコートは住宅街にあるような感じで、舞台は地下3Fにありエレベーターが見えなかったので高齢者には気の毒な感じがする。
司会の長谷さんがMOMはより良い舞台を求めて、風姿花伝から移動しましたと、仰っているが聞くところに拠ると火気厳禁とのこと、これから出演者が制約されるだろうなー等つまらない事を考えながら開演を待った。

今夜は新潟から2名の出演
トップは高校一年生のKAKELU君、4本リングやシルクなど、若さ溢れる演技であった。
出演の回数も少なかろう、今夜はきっと彼にとって生涯忘れない舞台になったと思う。
高校生が 東京でプロと同じ舞台に「立てた」大きく胸が膨らんだことだろう。

Magician KAZさん
観客を自分のペースに引き込むには立派。
派手なパフォーマンスもなれた感じ。
シガレットやマルポロプロダクションは得意芸か。
しかしゴム手袋の演技では何回もミスをしていた。
お金を取る演技者で有れば、ジャグラーでないのだから2回位で成功させなければ駄目だ。
もっとも本人が一番わかっているだろう。
彼を若い時から知っているので.敢えて苦言の一言「石田君悪い」

ミステラさん
この人、私本当にわからない。
楽屋などで話をさせて戴くと礼儀正しいし言葉も丁寧であるのに舞台に上がったとたん「ユンケルドリンク」の効き目か途方も無いことを始めて会場を沸かす。
メモを見ると、相当、破天荒なことを しているがまだ見たことが無い人は是非お勧めする。
大体、スプーンならぬフライパンを曲げるなど、奇人「貴人」の発想だ。
その上、素人の人には判らない業界用語が度々飛び出すので、アマチュアの若者には大受け間違いない。
ただし、マニアで無くても、充分、彼に笑わされてしまいます。

マギー隆司さん
昔、街の落語研究会の人と何回か舞台に立ったことが有ります。
その時、話術の難しさと怖さを肌で感じました。
人は案外笑わないことを知りました。
そんなことが、凄く頭にこびり付いています。
マギー司郎さんの一番弟子。
司会の長谷さんがもしかしたら、司郎さんより年上?か?なんて仰っていました。
でも確かではありませんよ。 いまは亡き、布目貫一先生が、レクチャーするには、三分で一回笑わせろ、、、。と云われました。
いまだに出来ませんがマギー隆司さんは,レクチャーではありませんが一分間に3回笑わせています、凄い人だよ。

HIKARIさん
前に風姿花伝に出演していて二回目になりますね。
学生時代からマジックを始めて、国内外で多くの入賞を果たしておりますから、沢山の方が彼女の演技を見ていると思います。
今夜もお得意のリングとシルクの情感溢れる演技が観客を魅了しています。
私は特にリングの演技に注目をしています。
彼女はリングの大事な動作の中で、必ず、体勢をA地点からB地点に移動しながら、観客の方に顔を向け、なおかつ、指を動かしません。
アマチュアは良く親指を動かしてしまいがちですが、彼女はこれが有りません。
だから 何時の間にか繋がってしまい余計に不思議に見てくるのでしょうか。
民族衣装のアオザイ。
髪をきりりと結い、踊るがごときの所作は何時も 新鮮です。
あ、、。そうそう、何時もは裸足なのに今夜はシューズを履いての演技でした、舞台が荒れているのだろうか。

第2部 マイク太田さんワンマンショー
舞台生活20年、9月には新潟で記念リサイタルを開催し成功を収めた太田さん、すみえ師匠曰く、ガソリン代だけで、新潟から駆けつけてくれました。
との話に場内は大爆笑、正直ほんとうだと思う。
プロの方って、案外、浪花節的な人情派が多くて何かとアマチュアを助けてくれることが多い。
すみえ師匠の言葉に間違いは無いと思う。
今夜の太田さん。
スピード感の或る曲を並べ、観客をいつの間にか、心地良い気持ちにさせてくれると、今度はトークで、お札の種あかしをしながら笑わせて、縦縞のハンカチから横縞など、わかっていても、面白い。
何で判っていながら、ついつい、話に引き込まれるてしまう、プロの技なのか。
ラストは、人体交換などのイリュージョンで、見事に締めくくった。
風姿花伝とちがって、終演後フロアーで出演者と歓談することが出来ないのが ちょっと物足りない気持ちもする。
案外、マジックファンは些細な楽しみも MOMに出かける、一因になっているような気がする。

長谷さんのMCを始めて聞いた。
爽やかの中にも、笑の突っ込みがあり楽しかった。
お話すると理屈っぽい感じがしていたが、私の思い違いかもしれてない。
「あれ、ごめんなさい 笑」今夜の収穫の一つです。

浅井 精治