(社)日本奇術協会主催定例公演 「Magic of MAGIC」第24回公演レポート
日時  2007年11月12日「月」
場所 新大久保 R’SArt Court (アールズコート)労音大久保会館
チケット前売り 2700円  当日 3000円
開場 18:30  終演 20:45分ごろ
出演(敬称略) 藤本明義 / 伊藤夢葉 / 荒木巴 / 大塚剛史 / 加藤陽 / 征弥
司会 ナナオ

アールズコートに移っての二回目の公演である。
前日中部奇術連合会のワンデーコンベイションに参加していたので名古屋で一泊、そのまま会場に向かった。
今回は藤本明義プロデュースナイトとのことなので、会員も応援にかけつけていた。
オープニングに藤本さんの新しいカードのアクト、普段ならば火を使うところを、使わずに曲も変えてスピード感を出したカード演技。
ゾンビは以前使っていた曲に戻しての新手順、良いとこどりの感じで上手く纏めてあった。
その後はナナオさんとのトークのやりを交えながらの進行になった。

加藤陽さん
東京大学四年生現役のマジシャン、このところ急激にコンテストなど意欲的に参加している。
第1回の学生コンテスト選手権。UGM、CNI (イタリアコンベンションステージマジック)各入賞、第42回テンヨーマジックフェスティバル出演など、若手実力派で、実績を積んでいる、シンプル。ウオンドのカラーチェンジが得意芸。
学生スタイル?を感じさせない、タネ場の「カバン」などの使い方がスマートさを感じさせる。
セットの都合もあるだろうが、最初から、舞台にカバンを広げて置くよりも、カバンを持って登場し、テーブル台を出して、その上にカバンを置き、広げてから演技に入らないのかなーと持ったもっともこれは、感覚や趣味の問題かな?
技術点は最高のマニピュレーションマジックである。

セイヤさん
マジックパフォーマンスグループ ディーグループの最年少マジシャンとして 活躍中の早稲田大学四年生の学生さん。
韓国の俳優さんにそっくり。
お話マジックを得意としている。
今回は紙玉のパフォーマンスであったが中々、考えた手順であった。
私もこの紙玉は大好きなマジックで、色々な資材 で演技をされているのを知っているが、その紙玉を事前にセットしておく、方法が良く考えられている。直ぐ考え付きそうで、そうでなかった所に目を 付けたのだから、賢いし面白かった。
トイレットペーパー1個で10分間も 客を飽きさせない、凄いなー。

大塚 剛史さん
今回3人の大学生が出演していたが、大塚さんは5個のゴール。
2個のディアプロの演技。東洋大学を昨年卒業し、東京のヘブンアーティスト大阪パホーマンスオーディションの合格取得者、今後、東京。大阪を 中心に活動を広げてゆく、これからが楽しみな若きジャグラーで或る、 強弱の曲を使い分け大いに盛り上げていた。
しかし、ジャグラーには舞台に高さが無く、思い切って、演技が出来なかったのではと思う。
CROSSROADの舞台では、もっとダイナミックな感じがした。

荒木 巴さん
可愛子系の多い若手女性マジック界で異形を放っている巴ちゃんのパフォーマンスは大道芸風だと思うのですが、体を張った舞台と客席を大きな風船を膨らませながら、走り回るパワーは圧巻と言うしか言葉が見つからない。
彼女のひた向きな情熱が、サービス精神が、観客の心を鷲掴みにするのだろう皿回しをしながらのトークも豊富だ、これだけダイナミックな 若手女性はそういない。
頭にかぶったゴム手袋を膨らまして、息もたえだえで割るのだから、強心臓のもち主?なんだろうが、見ている方が自然に応援したくなる。お笑いを振りまく個性派である。
普段もサービス旺盛な神経の細やかな女の子。
こんな女性を彼女にしたら楽しいかも知れない。
会場が割れんばかりの大爆笑であった。
司会のナナオさん曰く。
あんなに舞台に命をかけるものなんですかねー。
そうなんです、何でも懸命なんです。
彼女のホームページを見ても、彼女を応援している人材が豊富なことが良くわかる。

伊藤夢葉さん
こんなに、マイペースでマジックをする人は余りいない。
勿論 伊藤一葉さんのお弟子さん。
大体、一葉師匠を知っている人が おりますか?と聞きながら、知っている人はかなりの年齢ですとか、畳かけて笑わせる。
このような話の運びは常道なのかも知れないが、それが機関銃のようにびしばし、飛び出すトークは半端ではありません。
誰だって、日頃のストレスがすっ飛んでしまいます。
話術は笑術、喜術である。
何時みても聞いても親しみ易くて面白い芸人さんですねー。
おしゃべりマジックの第一人者である。

藤本明義さん
今回は3回ステージ。
中の一回はクロースアップをサロン風にしたてペットボトルにカードが飛び込むマジック。
ラストの一回は、普段CD アクトを独立させていた。
従来だとシガレットの部分で火を使うが アートコートでは使えないので後半部分を独立させ一つの手順に仕立てていた。
後日段だが、随分苦労したらしい、でもその成果は充分に発揮されて 客受けしていた。

今回のMOMは、中身もバライティーに富。
若手育成の趣旨に一番沿った 企画だったと思われる。
ともかく、今回は個々の芸人さんが面白かった。
これからも、マンネリになることなく、継続の才能を発揮して貰えれば 観客は大喜びで或る。

浅井精治